こんにちは、たけもとです。
毎日、会社で朝から仕事をするのがだるく感じる…
忙しい毎日ではダイエットにかける時間なんてない…
忙しい現代、朝早くに出勤して、成果を求められる仕事をして…とそれだけでかなりのストレスがあります。
そんな中で運動や食事が大事とは知りながらも、なかなかダイエットに手間や時間がかけられない…そんな悩みを、社会人の多くの方が感じたことがあるかと思います。
今回レビューする書籍「シリコンバレー式 最強の食事」は、脳のパフォーマンスを上げながらもダイエットの効果がある、そんな食品についての知識のエッセンスが詰まった一冊です。
結論としてはバターオイルコーヒーが生活を変えてくれる、という内容なのですが、その根拠を栄養素のはたらきに注目して解説しています。
要点をまとめながらレビューをしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
書籍概要
著者について
著者はデイブ・アスプリー氏。
シリコンバレーを拠点に活躍する起業家、著作家、そして「バイオハッカー」として知られる人物です。
肥満だった自身の健康問題を克服するために、科学的根拠および自身の経験に基づいた食事、運動、睡眠などのライフスタイルを追求し、その成果を広く発信しています。
本書でも良く表れているのが、自身の体をモニターして様々な方法を試すことにより、本当に効果のある方法を追求している姿勢。
従来の常識にとらわれない独自の視点でありながらも、説得力のある情報を発信しています。
本の概要
本書でたびたび使われている表現が、「ハックする(改良する)」。
コンピューターのシステムと同じように、人間の体も変動要素を的確に捉えて、ピンポイントでアプローチすることで生活はハックできる、というスタンスが根底にあります。
食事や健康については今やおびただしい量の情報があり、どの情報が正しいのかが分かりにくいのが実情…
そこで筆者は実践的に、食材の効果をひとつひとつ検証しています。30万ドル以上を費やし、自分の体をモニターして効果のある食品や調理法を徹底的に研究。
ゆえに、本書のそれぞれの食品の解説に非常に説得力があり、読み手としても思わず実践したくなる知識が満載です。
自分を変える最強の食事、に偽りのない、食事に関する質の高い情報がまとめられた一冊です。

要約・要点整理
それでは、下記のポイントに沿って解説していきます。
本書のポイント
・パフォーマンスを下げる要因
・痩せるか太るかはのカギは腸内細菌
・正しい脂肪は体と脳を最大限に機能させる
パフォーマンスを下げる要因
頭がボーッとする、言葉が出てこない、何かを思い出すのに時間がかかる…そんな脳のパフォーマンスの低下の要因は、脳の炎症によるものだといいます。
心疾患、がん、糖尿病などの病気すべてに共通しているのが炎症であり、多くの病気の中心には高度の炎症が存在しています。
加工食品をはじめとした、炎症の要因となる成分を含んだ食品を食べると、腸にダメージが生じ、体はそれを敵と見なして反応を起こします。そして、腸から始まった炎症は、最後には脳に到達します。
脳は炎症を生じると低パフォーマンスになってしまいます。それだけでなく、毒素となる成分を排出するために肝臓が血糖を使うため、その分脳が使えるエネルギーが減少します。
そのため、結果的にパフォーマンスが下がるどころか、甘いものを欲して太るという結果に…
メモ
パフォーマンスを下げる成分の具体例:フィチン酸、シュウ酸、カビ毒(マイコトキシン)など
痩せるか太るかはのカギは腸内細菌
痩せている人の腸内細菌を、太っている人の腸内に移したところ、移された人が痩せたという研究結果が挙げられていました。
この腸内細菌にかかわる2つの重要な栄養素について触れます。
腸内細菌にかかわる重要な栄養素
・ポリフェノール:「痩せ型」の腸内細菌のエサになる
・カプリル酸:脂肪を溜める腸内細菌の活動を抑える
ポリフェノールはコーヒーに多く含まれており、「痩せ型」の腸内細菌を増やすのに役立つほか、高い抗酸化作用を持つ成分です。
カプリル酸は、下記でも触れる「MCTオイル」に含まれる成分で、脂肪を溜めこむ腸内細菌の活動を抑えます。
これらを組み合わせることで、「痩せ型」の腸内細菌を増やして、効果的に痩せることができます。
なお腸内細菌は、糖質に植えた状態になると、FIAFという脂肪の貯蓄を抑える成分を生みだし、体脂肪を燃やしてくれます。すなわち、糖質を控えて、代わりに下記の「正しい脂肪」を摂ることで、より痩せる体へと変化していきます。
正しい脂肪は体と脳を最大限に機能させる
ダイエットでは糖質・脂質を控えるのが常識となっているなか、脂肪は正しいものを食べても太らないという考えは、少し斬新かもしれません。
正しい脂肪は栄養価も高く、クリーンに燃焼するエネルギー源となります。また脂肪は、ビタミンA・D・E・Kの摂取や、ホルモンの生成にも必要となります。脂肪により体内のホルモン値が維持されることでも体重は減るため、脂肪を全面的に、みだりに減らすのは好ましくありません。
では正しい脂肪とは何か、大きく「中鎖脂肪酸」「オメガ3脂肪酸」の2つが挙げられていますが、よりカギとなっている中鎖脂肪酸について触れていきます。
中鎖脂肪酸は、端的に言うと、一般的な油よりも消化吸収が早く、エネルギーになりやすい脂肪酸のことです。
具体的には、グラスフェッドバター、ギー、MCTオイル、ココナッツオイルなどが挙げられます。これらの食品に含まれる中鎖脂肪酸は、体内で速やかに分解され、肝臓で「ケトン体」に変換されます。うちMCTオイルは中鎖脂肪酸が凝縮されたオイルであり、特に効率的にケトン体を生み出します。
ケトン体は、ブドウ糖に代わる脳の主要なエネルギー源となり、集中力や記憶力の向上、疲労感の軽減などの効果が期待されています。
要するに、正しい脂肪は、糖質に代わって脳のエネルギー源になる、ということです。
メモ
逆に、避けるべき脂肪は
・多価不飽和油:キャノーラ油、コーン油、ひまわり油、ピーナッツ油など。
・オメガ6油:マーガリンに含まれるリノール酸など。
体に炎症を引き起こし、脳の代謝やパフォーマンスを下げる要因になる。
バターオイルコーヒー
上記のポイントを踏まえて、本書が出した食事の到達点が「バターオイルコーヒー」。
コーヒーと「正しい脂肪」を混ぜて作られた飲み物で、脳のパフォーマンスを上げてダイエットもできる、別名「完全無欠コーヒー」とも呼ばれています。
バターオイルコーヒーの効果
・集中力アップ
・優れた腹持ち
・脂肪燃焼効果
カフェインと中鎖脂肪酸の働きにより、集中力がアップ。加えて油脂のおかげで腹持ちが良く、「痩せ型」の腸内細菌の活動を促しダイエット効果まである、という食事(飲み物)です。
筆者はバターオイルコーヒーで1日0.5㎏ずつのダイエットができ、パフォーマンス、回復力、集中力がアップしたといいます。
私も実際に試したところ、特に集中力アップと腹持ちは、飲んだその日に効果を感じられました。

朝食をバターオイルコーヒーに置き換えるだけで、日常生活がアップデートされます。
なお、作り方などの詳細は、下記の記事でまとめています。
レビュー
体にはどんな成分が作用するのか、食品それぞれに含まれる栄養素が、どのようにパフォーマンスに関与し、ダイエットに効果を発揮するのかを、非常に論理的に説明しています。
そして、その到達点としてバターオイルコーヒーが位置付けられており、理論的に食事(朝食)として取り入れることにも、とても納得できました。本書を読むころには、実際にまずはバターオイルコーヒーを試してみよう、続けてみようというモチベーションが湧いています。
バターオイルコーヒーを中心にしつつも、その他の食材についても網羅的に、食べても良いのか、どのような調理法で食べるべきかが、みっっっちりと解説されています。
ただし、書かれている情報を全面的に使うのは、かなりの時間的・金銭的なコストがかかります。そのため、本書に書かれている知識は少しずつ日常生活に取り入れていくのをおすすめします。
全体的に食品選びの基準にはなりますが、取り入れるべきものを意識しすぎると日々の食事選びが大変になりますので。まずは取り入れない方がよい食材を頭の片隅に残しておいて、それを「避ける」ところからが始めやすいのではと思います。
この避けるという観点では、個人的には脂肪、そして甘味料の知識がとても勉強になりました。今や様々な食品に含まれていて触れないことが難しい時代なので、どれを摂って良いのか・摂ってはいけないのかは覚えて、自身の生活に生かしたいと思いました。

過敏にならずに、ひとつずつできるところから。
重要なのは著者と同様、実践的に自分に合った方法を探していくこと。それを前提に、食品や栄養素の知識のベースラインを大きく前に進めてくれる、そんな一冊でした。
おすすめの方
おすすめの方
・食事から仕事のパフォーマンスを上げたい方
・ダイエットを、運動からではなく食事からアプローチしたい方
・食材ごとの健康的な価値が知りたい方
・自身の改善や変化に抵抗がない方
単に痩せるだけでなく、仕事のパフォーマンスも上げられるという、総合的に自身の生活をアップデートできる知識を身に付けられる本です。
食事の持つ効果の大きさをひしひしと感じますし、読むことで食事に対しての意識が変わるはずです。
一方で、世間一般的な食事からは大きく外れた、前衛的な知識も多いです。抵抗なく、気軽にチャレンジできる方には特に効果が大きいのかなと感じています。
まとめ
以上、「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」の解説でした。
2025年現在で、もう10年も前の書籍になりますが、時代を超えて通用する知識・メゾッドが満載の一冊です。
以後の生活の食事への意識が大きく変わるので、まずは一度読んでみることをおすすめします。
それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。


