こんにちは、たけもとです。
ブログの文章執筆、慣れないうちは書くだけでも精一杯。
そこから読者の心を掴み、共感を得る文章まで作り上げるとなると、やっぱり具体的なハウツーが知りたいものです。
そこで、今回は中島大輔氏の書籍「ブログ歴17年のプロが教える売れる文章術 ブログライティングの教科書」(朝日新聞出版)を読みましたので、レビューします。
これから記事を作成し始めるが、どのように記事を作成すればよいかの知識がない
最近記事を作成し始めたが、どのようなことを意識すれば読まれるのかを学びたい
ブログが売れるように、SEOを意識した書き方を知りたい
といった方におすすめ。ブログ記事作成で知りたかったことがギュッと詰まっており、読んで実践するのにとても適した一冊になっています。ぜひ最後までご覧ください。
書籍概要
著者について
著者は中島大介氏。
ウェブ集客支援サービスを展開する株式会社メリルの代表取締役であり、SNS総フォロワー20万人以上を誇るインフルエンサーでもあります。特に注目すべきは、YouTubeチャンネル「ウェブ職TV」での情報発信です。登録者数13万人を超えるこのチャンネルでは、ブログ、SEO、そして最新AIに関する情報を分かりやすく解説。ウェブマーケティングの最前線を常にキャッチアップし、実践的なノウハウを惜しみなく共有しています。
その他、名古屋でコワーキングスペース「ABCスペース」、大阪梅田でWebライター向け自習室「Web Writer Studio」を運営するなど、オンラインだけでなくオフラインの活動も展開。ウェブ業界の発展に幅広く貢献している人物です。
本の概要
ブログライティングの教科書、ということで、単なる文章の書き方だけでなく、収益を上げるためのブログ構築術、SEO対策といったブログ向けに最適化された文章術を、網羅的に解説しています。
本書の最大の特徴は、著者が長年の経験で培ってきた「売れる文章術」を体系的に学べる点です。本文の書き方はもちろん、タイトルの付け方、SEOを意識したキーワードの選定方法など、具体的なテクニックを学ぶことができます。
構成上の特徴として、トピックごとにYoutubeのQRコードが設けられており、アクセスして詳細を見ることができます。(すべてのトピックに対して、という形ではありませんが、8~10ページごとに1つといった具合で、それなりの数のコードがあります。)
要点整理
以下、書籍内の要点となるところについて、整理します。
ブログ記事執筆の全体像
はじめに、記事の全体像と照らし合わせて、大まかな作業の流れが提示されています。
ブログ全体の構成
①SEOキーワードを決める
②競合調査を行う
③記事構成を作る
④記事タイトルを決める
⑤リード文を書く
⑥本文はPREP法を使って書く
⑦まとめを書く
特に最初のSEOキーワードを決めるところが、まず見てもらうために大事な要素。キーワードを検索欄に打ち込んだ際のサジェストから共起語(検索時に共に入力される言葉)を把握したり、検索する人がなぜその言葉を検索したのか=「検索意図」を満たすような語を盛り込んだり、といった行動が必要になります。
そして実際に読者の検索意図を満足させるような記事として、記事構成や本文を練っていくこととなります。
7つのポイントで記事タイトルを決める
記事タイトルのポイント
①32~40文字程度
②SEOキーワードを含める
③Googleを意識しすぎない
④記号を活用する
⑤具体的な数字や実績を書く
⑥無駄な文字を削る
⑦検索結果をよく見て研究する
記事タイトルは、Googleからの評価で検索順位に響いたり、読者にその記事が読んでもらえるかを左右する重要な要素です。
多くの読者が求めるキーワードを盛り込むことで検索順位が上がりやすくなりますし、読者が読んで関心が向いたり、シンプルに読みやすいタイトルだとクリックしてもらえる機会も増えます。
一方で、SEOを意識しすぎると読者の関心とは離れた淡泊なタイトルになってしまったり、その逆は検索順位を上げきれず見られる機会が少なくなる、といったジレンマもある部分です。
このSEOと読者の間のバランスをどう取り持っていくか、学びつつ、実践の中で生かしていきたいポイントです。
記事の読みやすさにつながるテクニック
読みやすい記事に繋がる、記事作成のテクニックが11個ほどピックアップされていました。
「指示代名詞はなるべく使わない」「アンサーファースト(答えとなる要素を先に提示する)」「本題以外の話は短くまとめる」といった、具体的なテクニックが例示されています。
こうした小さな積み重ねから文章が出来上がっていくので、抜かりなくやっておきたいですね。実際に自分の作った文章と照らし合わせたりしながら、日常的に意識して文章を作成したり、リライトの時に注意しておきたいと感じるポイントでした。
ライティングのコツ3選
ライバルに差をつけるライティングのコツとして、以下が挙げられています。
ライバルに差をつけるライティングのコツ
①読者が感動する記事を書く
②シンプルでストレートな文章
③USPを意識した価値のある文章
特に③のUSPについての記載がポイントになります。
USPとは、「Unique Selling Proposition」の略で、商品独自の強みのことを言います。
特に商品レビュー記事を書く場合に、扱う商品のUSPを把握し説明することが欠かせません。実際にほかの商品と比較をしてUSPを書き手自身がまずは把握し、読者に何が違っているのか=何が個性・特徴・強みであるのか、をわかりやすく説明することが重要となります。
逆を言えば、USPがないものは記事にしておすすめしたりすることはできない、ということ。常に読者目線で、得られる情報の価値を考えて記事を書いていきたいものです。
レビュー・感想
感じたこと・考えたこと
感想として、記事を作成し始める/作成し始めた方が基礎固めに使うのに適した一冊だと思いました。
この本では、ブログの「記事作成」の基礎について広く網羅的に触れています。そのため、基本的な用語を学習していて、いざ記事作成を実践する、というタイミングが、使いやすく学びもあるベストなタイミングかと思います。また、記事作成にこれから取り掛かる方にとっても、部分的にテンプレートや例文も設けられており、どのように文章を作ればよいかゼロから知りたい、というニーズにも応えています。
また、トピックごとの詳細を知りたい場合に、YoutubeのQRコードから動画へアクセスして詳細を見ることができ、実用書としての機能性も高いなと感じました。概要だけまずは広く知りたい、という方には適していると思います。
売れる「文章術」とのことですが、文章スキルやテクニックそのものについて触れている本というよりは、既述のとおり、SEO対策の観点からタイトルのキーワードを決めたりといった、比較的広範な部分を扱った概論的な本でした。その意味で、文章作成そのものに対しての情報密度は少々薄い印象でした。
とはいえ、SEOを踏まえてどうするかといった、体系的に網羅するつくりとなっており、基礎を固める目的での使用にはとても適っています。書くのに慣れてきた方でも、チェックポイントとして読むのにもおすすめな書籍です。トピックごとの詳しい情報については上述のYoutubeのQRコードのほか、より詳細に触れている本に触れてさらに知識を深めていく形がよいと思います。
印象的だった部分
印象的に感じたところを数点、具体的にピックアップします。
リード文の重要性
リード文は具体的にはブログの冒頭で、読者の良くある悩みなどに共感したりしつつ、記事の概要について頭出しをする部分になります。
実際にこのリード文は下記でも述べる「検索意図(ユーザーが何を知りたくて調べたのか)」と密接にかかわるもので、実際に書く上では、ユーザー側の目線にしっかり立つことができないと、共感を得てもらうのもなかなか難しく、私自身下手だなと強く感じる部分の1つです。
他の書籍でもリード文について読んでみましたが、記事にアクセスしてきたユーザーがどれだけその記事を最後まで、長く読み続けてくれるかもSEOの面で重要な要素であり、最後まで読んでもらえるような共感を得ることの意義が、とても大きいものだと学びました。
共感が得られるか、相手側の目線に立てているか、意識して書いていきたいと思いました。
SXO対策
読者が検索を始めてから終わるまでの一連の流れのことを「検索体験」と言いますが、これを最適化することをSXO対策と言います。
検索して見たページに満足しなかった場合、ユーザーはどのような行動をとるか。改めて適切な情報を探そうと再検索をしますよね。
この再検索に至ると、Googleから読者満足度が低いと判断されてしまう。昔に比べ、記事数よりも記事の質が評価される時代だということも相まって、いかに記事内でユーザーの検索意図に対して満足のいく回答を示すことができるか、が大事だとのこと。
検索意図をどう掴むか、といった情報を、さらに書籍を読むなどして身に着けたいところです。
「弱者」のブログ戦略
弱者が強者に勝つには一騎打ちの局地戦に持ち込むべし、という「ランチェスター戦略」を挙げています。
ブログに当てはめると、テーマを絞って超特化ブログにしよう、ということです。
例えばダイエットという大きなテーマでは、多数の記事を書いてきたブロガー・企業等に圧倒されてしまうかもしれませんが、糖質制限ダイエット等の狭い領域に特化すれば、数多くのジャンルやトピックに力を振り分けている強者にも、勝てるチャンスがある、というものです。
少々脱線しますが、私はマンガ「スラムダンク」が大変好きです。
主人公が所属する湘北高校はメンバー層も薄い無名の高校でしたが、作品最後の試合で全国トップの実力を誇る山王高校と対戦します。(映画も話題になりましたね。)そんな超格上との試合中、印象的な描かれ方をしていたのが、まさに「局地戦で勝つ」というものでした。チーム総当たりの真っ向勝負では歯が立たないため、相手の出場選手の中でも勝ち目のある選手と1対1に持ち込み勝負して、しまいにはペースも掴む、というものです。
私は超特化ブログとしてはスタートしていないものの、深く凝ったテーマの記事を書くなど、実践に移してみたいと思ったポイントでした。
1記事で完結しない記事群の考え方
1記事で読者の悩みを解決しよう、ではなく、複数の記事で多面的に悩みを解決しよう、という考え方です。
記事は、ポイントごとに記載された記事である「詳細記事」と、それらをまとめた「まとめ記事」とに分けられます。まとめ記事でまずは要点を読んでもらい、そのなかで、複数の詳細記事に目を通してもらい、より具体的な情報を得るという流れになります。(まとめ記事と詳細記事はリンクでつないでいるものとして)
記事群のイメージという画像があり、それでありありとイメージすることができました。はじめは詳細記事を1つ1つ書いていく形になりますが、量が増えてきたら、まとめ記事にしっかり挑戦したいと考えています。
まとめ
以上、「ブログ歴17年のプロが教える売れる文章術 ブログライティングの教科書」のレビューでした。
特にこれから記事を作成し始める、最近記事を作成し始めた、といった方の基礎固めとしておすすめな一冊です。具体的な文章構成方法やテクニックが豊富で、ハードルの高さをあまり感じることなく、実践に移しやすいと思います。
自分自身できていないところを整理して、ひとつひとつ実践に移していきたいと思いました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。