こんにちは、たけもとです。
スペシャルティコーヒーが飲める機会が増えてきた現代、「ティピカ種」や「ブルボン種」という名前、耳にしたことはあるでしょうか。
名前は目にするけど、どんな違いがあるんだろう
アラビカ種やロブスタ種とはまた違うものなの?
種別の名前も多く、複雑に感じてしまうところですが、今回は「ティピカ種」と「ブルボン種」について、それぞれの特徴や違いをまとめていきたいと思います。
ぜひ今後のコーヒーライフのなかで、参考にしていただけたら嬉しいです!
はじめに
要点整理
先に結論から申しますと、下記のようにまとめられます。
要点
いずれも「アラビカ種」の中の一つであり、
・ティピカ種:酸味やフルーティーさ、繊細な味わいが特徴
・ブルボン種: バランスのよい安定した味わいやコク深さが特徴
アラビカ種やロブスタ種は?
コーヒーで〇〇種、というと、アラビカ種やロブスタ種という名前も良く耳にします。この二つはコーヒーの一番大きな種別の分岐にあたります。
今回紹介する「ティピカ種」「ブルボン種」は、それぞれアラビカ種からさらに分岐したものという位置づけになります。
※アラビカ種とロブスタ種については、下記の記事をご覧ください。(先にこちらを読むのもおすすめです。)
それでは以下、具体的な部分について、触れていきます。
豆の種別の解説
ティピカ種
産地・植生の特徴
コーヒーの発祥の地と言われるのがエチオピアですが、そこからアラビア半島のイエメンへ伝播した豆が、現地で栽培・加工を盛んにおこなわれました。このイエメンへ伝えられた品種がティピカ種。
ティピカ種はアラビカ種の原種に近い品種であり、他の品種に比べて遺伝的多様性が低いと言われています。
ヨーロッパや中南米でも生産されていますが、アジア・太平洋周辺での栽培も多く見られます。
ティピカ種の例
・ブルーマウンテン(ジャマイカ)
・コナ(ハワイ)
・スマトラ(インドネシア)
※()内は代表的な産地
味の特徴
フルーティな香りやフローラル系の香り、クリーンな酸味、上質な甘味といった、繊細な味わいが特徴。高地での栽培により、酸味や香りが高くなる傾向にあります。浅煎りで楽しみたくなりますが、この味わいは、近年主流化しつつある「サードウェーブコーヒー」との親和性を強く感じます。
収量・流通
実の着きも多くなく、また病害虫にも弱いため、収量が少ない品種です。純粋なティピカ種は現状少なく、他の品種との交配種が多いと言われています。商業的な大規模栽培には適しておらず、高品質な豆は高価に取引される傾向があります。
一方で、品質の高いコーヒー豆として知られており、スペシャルティコーヒー市場でも高い人気を誇ります。
ブルボン種
産地・植生の特徴
インド洋のブルボン島(別名レユニオン島)で、突然変異として見つかったのがこの「ブルボン種」。
18世紀に見つかったこの品種は、その後ブラジルに移植され、主に中南米で育てられています。
ブルボン種の例
・カトゥアイ(ブラジル)
・ムンドノーボ(ブラジル)
・ピンクブルボン(コロンビア)
・SL28(ケニア)
※()内は代表的な産地
味の特徴
甘味や濃厚なコクがあり、しっかりした風味を感じつつも、バランスのよい味わいが特徴です。チョコレートやナッツ系の、マイルドな風味。中深煎りで味わったり、エスプレッソやミルクで楽しむのも良いでしょう。
ブラジルやコロンビアは特にバランスの良い豆として知られますが、まさにこの特徴がみられていると思います。
収量・流通
ティピカ種に比べて病害虫に強く、様々な環境で栽培できることから、価格も比較的安定しており、幅広いコーヒー製品に使用されています。
補足:エアルーム種
ティピカ種とブルボン種に加えて、補足的にエアルーム種についても触れたいと思います。
エアルーム種はエチオピアで栽培されている在来種です。種類が豊富で、かつ希少な品種です。
エアルーム種の例
・ゲイシャ(パナマ)
・アビシニア(エチオピア)
※()内は代表的な産地
種類が多いため、収量や味の傾向などについてはまとめきれませんが、品種改良をされた豆に比べて、気候などその土地らしさ=テロワールをより反映している味わいと言われています。
まとめ
以上、ティピカ種とブルボン種についての解説でした。
お店によりこうした種まで書いてくれているところもありますが、特に風味の特徴に注目して、1杯1杯のコーヒーを楽しんでみたいですね。
今後のコーヒーライフのなかで、参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
参考記事
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