こんにちは、たけもとです。
転職時や家庭などのイベントの際に考えるキャリア。
しかしどのキャリアを選ぶべきか、迷った経験はありませんか。
今考えているキャリアの選択に自信が持てない
今選んでいる仕事が、実は合っていないのではないかと思っている
人生において仕事に何を求めているのか、自分自身でもよくわかっていない
このような悩みに答える1冊として、「キャリア迷子 自分らしく働けない人のための『生き方提案』」を読みましたので、レビューしていきます。
現在の自身のキャリア選択について迷っている方すべての参考になる書籍だと考えています。ぜひ最後までご覧ください。
キャリア迷子 自分らしく働けない人のための「生き方提案」の概要
仕事は大事ですが、キャリアアップを目指すことだけが、人生を豊かにするのか?
仕事の頑張りが評価されない、家庭との両立が難しい、つらい仕事を長年続けていくことに不安がある…こうした悩みを、だれしも一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
実は、ポジティブなキャリアダウンがあなたの人生を豊かにすることもあります。
キャリアとは本当はどういったものなのか。この疑問に向き合い、本当に自分自身に必要なキャリアをデザインする。
本書ではこのような思考で、キャリア迷子から抜け出すためのコツを紹介しています。
参考・引用:Amazon商品ページ
キャリア迷子 自分らしく働けない人のための「生き方提案」のポイント
それでは、本書のポイントを3つに分けて整理します。
キャリア迷子 自分らしく働けない人のための「生き方提案」のポイント
① 「キャリア迷子」を肯定的に考える
② キャリアを主観的に考える
③ キャリアデザイン思考
ポイント① 「キャリア迷子」を肯定的に考える
キャリア迷子はその言葉のとおり、キャリアの選択を迷っている方のことを指します。
現代では、個人の働き方が自由になり、キャリアの選択肢が多くなっているために、キャリア迷子になる人が増えています。
このキャリア迷子、すなわちキャリアに迷っている期間は、一見ネガティブに捉えられがちです。
しかし、今後のキャリアを考えている期間として前向きに捉えたい、そう筆者は言います。
そのために重要になのが、「トランジション」という概念です。
トランジション
トランジションとは転換期のことを指し、何かが終わり、そこから新しい何かが始めるまでの期間のことを言います。
トランジションのステップ
①終焉:何かが終わる時期。
②ニュートラルゾーン:過去と今の自分を見つめて気持ちを切り替える時期。
③開始:新しく何かが始める時期。
この②ニュートラルゾーンの状態がまさに「キャリア迷子」の状態になります。
トランジションの提唱者のウィリアム・ブリッジズ氏は、このニュートラルゾーン(キャリア迷子)から抜け出すために急ぐのではなく、終わりをまずは受け止めて、時間をかけて自分と向き合うことこそが重要だと言います。

具体的には、「これまでのキャリア選択は正しかったのか」「これから選べるのはどんなキャリアか」といったことを、時間をかけて考える、ということです。
この自分を見つめる期間は、自分らしい幸せにたどり着くために、人生にあって良い、いやあるべき期間。
そう捉えて、焦らず前向きに、自分のこれまで・これからのキャリアに向かい合うことが、まず重要なポイントになります。
ポイント② キャリアを主観的に考える
本書では、キャリアを下記の2つに分けて考えています。
キャリア | 分類 | 例 |
---|---|---|
ワークキャリア | 狭義のキャリア | 職歴、業務上の実績 |
ライフキャリア | 広義のキャリア | 生き方、人生における個人の役割 |
「キャリア」という語からは、会社の仕事のことがイメージされがちです。
それも大切ではありますが、仕事の時間を含めた総体としてのキャリアである「ライフキャリア」に着目し、長期的な生き方を考えることはそれ以上に重要。
そこでポイントになるのは、本人の主観での幸せを追求できるか、ということ。
事実、他者から見たらキャリアダウンだが、本人としてはキャリアアップしているというケースもあり得ます。
具体的には、「忙しくない仕事に変わって給与は減ったが、自由に使える時間が増えて幸福度が増えた」といったケースです。

これは、ライフキャリアの観点でのキャリアアップといえます。
給与の高い仕事が目指すべき仕事であり、給与が減るのは悪いことだというイメージが一般的ではあります。
そんな中で、他人に左右されない、個人の幸せを追求するのは難しいことですよね。
そこで、主観的なキャリア選択のための一つの参考として、「キャリアアンカー」という概念が紹介されています。
キャリアアンカー
キャリアアンカーとは、年齢や経験を重ねてもブレることがない、自身の価値観や欲求のことです。
自身がどんなものを大切にしているか、求めているかよって、8つのタイプに分類されています。
単に世間が言うからと給与だけを求める場合、それは外発的な動機になりますが、それを一旦度外視し、自分の内発的な動機を理解するのに役に立つ概念です。
※下記の記事内で詳しく触れています。
ポイント③ キャリアデザイン思考
自分と見つめ合い、キャリアのこれまで・これからを整理できたら、計画を立てて実践に移る。
その手順について、下記のステップで構成される「キャリアデザイン思考」で整理されています。
ステップ | 内容 | 詳細・ポイント |
---|---|---|
1.自分を知る (自己理解) | 自分の適性や性格、これまでの仕事で身に付けたスキル等を整理する。 | 主観的になりすぎないように、ツール類の使用が好ましい。 |
2.周囲の状況を知る (社会理解) | 他人、会社、経済や景気といった外的要因を知り、目標とするキャリアを定める。 | 昔と現在の社会の比較、今後の将来性等から、今後求められる・ニーズが増えるキャリアを見定める。 |
3.今後の方向性とキャリア分析 | 目標とするキャリアと、現在の自分とのギャップを整理する。 | 能力面、環境面で存在するギャップを認識し、必要に応じて協力を求める等の対応が必要。 |
4.意思決定して行動する | キャリアを変えるためのアクションを起こす。 | 思ったように踏み出せない場合は、前のステップに戻ったり、時間をかけて気持ちを整えても大丈夫。 |
1の自己理解は既に触れましたが、その後、社会情勢や求人等の外の世界と自分を繋げる(=社会理解)をしつつ、自分の取るべきアクションを整理していくことになります。

社会理解は、本当に実現ができるキャリア選択なのか、実現可能性を測るために行います。
最も重要なのはやはり1で、どれだけ自己理解ができるかでその後の目標設定が大きく左右されると筆者は言います。
もう一つ、自己理解と社会理解は行ったり来たりの往復関係であるとも述べています。
自己理解なんて1回で完璧にできるはずがない…そうなんです。
ゆえに、自分と社会を相互に見つめることで、自分がやりたいと思える、かつ実現が可能な選択肢をじっくり選び出すことが、このキャリアデザインにおけるキモとなります。
キャリア迷子 自分らしく働けない人のための「生き方提案」を読んでみて
現在プロマネ系の仕事をしていて思うのが、物事は計画が9割ということ。
アクションを起こすまえに、どれだけ「あとはやるだけ」の状態にできるかが肝要だということです。
現状の分析、やることの整理に丁寧に時間をかけるほどに、実行のハードルは下がっていきます。
本書では、まずはじっくり自分のことを分析することがどれだけ重要かを説いていますが、その点に非常に納得して読んでいました。
しかし、いざ自己分析をするにしても、その方法が分からない…といったケースにもなりがちです。
そのため本書では、キャリアに関する学術的な概念・ツールを多く引用しており、これも大きな特徴といえます。
自己分析のための概念やツールを知っておくことのメリットは、自分の悩みや考え方が、自分ひとりだけのものではなく、世間にも同じような人間がいることへの理解に繋がることだと考えます。
同じ考え方の人がいるなら、その人に合ったやり方が既に理論化されている。
マイノリティだと思われる自分にも使えるキャリアの選び方の理論がある、と認識できれば、取るべきアクションも一気に具体化できます。
その糸口をつかむために、概念やツールを理解することに大きな意義があります。
大事なのは、上記のような情報を頭に入れながら、焦らずじっくり考えること。
キャリアデザインは競争ではない、と筆者は言います。
本書で扱われているキャリアの概念それぞれへの理解を深めて、じっくり自分と向き合って考えたいと感じました。
キャリア迷子 自分らしく働けない人のための「生き方提案」がおすすめな方
キャリア迷子 自分らしく働けない人のための「生き方提案」がおすすめな方
・キャリア選択を迷っている方
・キャリア選択に自信が持てず、多角的に考えたい方
・自分が求める仕事が分からず、判断材料が欲しい方
総じてポイントとなるのは、時間をかけてじっくり自己理解をすること。
そのための方法や理論について、本書では数多く触れられています。
キャリアを多角的に考えたい方、落ち着いてじっくり考えたい方に、ぜひ読んでいただきたい書籍です。
まとめ
以上、書籍「キャリア迷子 自分らしく働けない人のための『生き方提案』」のレビューでした。
自分らしい選択は、正解が掴みにくいからこそ、判断に時間がかかります。
その時間を肯定的に捉えて、前向きにキャリアを考えたいですね。
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