こんにちは、たけもとです。
自分の好みの味のコーヒーを研究したい
自分の淹れ方が正しいのか不安だ
コーヒーのハンドドリップをしていると、自分の淹れ方が正しいのか、自分の求めている味を出せているか、が気になってきます。
「世界一美味しいコーヒーの淹れ方(井崎英典)」は、自身の好みの味でコーヒーを淹れる方法について解説している本です。
とても実践的な内容ばかりで、読んだことをすぐに自分のスキルアップにつなげられるような本だと思っています。
以下、本書についてのご紹介となります。
ぜひ最後まで、ご覧ください!
概要
はじめに
本の概要
本書は2014年に世界最大のバリスタ競技大会であるワールド・バリスタ・チャンピオンで、アジア人として初優勝した井崎英典さんの書かれた書籍になります。
この本の目的は、読者が、「自分好みの味」を知り、「最高の1杯」を自宅で淹れられるようになることにあります。
コーヒーの材料は水と豆の2つとシンプルなだけに、水と豆に求める条件が多く、それが奥深さにつながっていると思います。
本書は豆の選び方から淹れ方まで、細かいところまで説明を行いながら、読者が自身で「自分好みの味」を分析・理解をして、淹れる人それぞれが求める「最高の1杯」を再現する道標となる本です。
とても実践的な内容で、コーヒー1杯を淹れる各工程における、注目するべきポイントが、とても解像度高く説明されています。
ポイント:味わいを形作る6つの要素
井崎さんは「味わいを形作る6つの要素」として、コーヒーの味に関わる要素を下記のように分類しています。
(わかりやすいように、人に例えて説明していました)
味わいを形作る6つの要素
①生産国 … 骨格:味わいを作る大前提
②品種 … 人格:同じ生産国あっても品種で傾向が変わる
③生産処理 … 性別:同じ品種でも味わいの傾向を大きく変える
④焙煎 … 体型:遺伝的なものもあるが、自分の意志で変えられる
⑤粒度 … 化粧・髪型:素材が同じでも、印象がガラリと変わる
⑥抽出 …アクセサリー(腕時計):そのものの印象をさらに変える
このように分けた上で、さらに2種類に大別しています。
・①〜③:豆が生まれ持っている要素 → 大まかな味の好みを知るために大切
・④〜⑥:人がコントロールできるもの → 自分好みのコーヒーを抽出するために大切
「素材」で決まるところ、「技術」で決まるところを分けて分析して、どのように好みのコーヒーにアプローチするか考えるのが大切なんですね。
上記にならって、今回は書籍の中で紹介されている、数あるノウハウの中でも、「豆選びのポイント」「淹れる時のポイント」の2つに分けて、重要な部分をかいつまんでご紹介します。
レビュー
豆選びのポイント
苦味か、酸味か
コーヒーの味わいは大きく分けて、「苦味」と「酸味」に分けられますが、
この味わいは、焙煎の度合いで大まかな方向性が決まってきます。
・「苦味」が好き → 焙煎が「深め」のコーヒーを選ぶ
・「酸味」が好き → 焙煎が「浅め」のコーヒーを選ぶ
コーヒーの味わいはとても複雑なイメージがありますが、
まずはこの2つをベースにして、自分はどちらが好みなのか、
考えていくのがよさそうです。
豆の3原則
店頭で豆を選ぶ際の注意点として、「豆の3原則」として、以下の3つが確認できるかが重要になります。
豆の3原則
①豆の詳しい情報… 農園や生産者の情報もあれば、取引の透明度が高く、良いコーヒー。
②焙煎日の記載 … 焙煎後2週間以内、長くても1ヶ月以内のものを選ぶ!
③店頭の状況 … 定期的に入れ替わっていれば、新鮮な豆が並んでいるといえる。
豆の持っている力以上のものは、どうやっても引き出すことができません。
そのため、買う段階から、豆の品質や鮮度について、目を光らせておく必要があります。
淹れる時のポイント
豆の粒度
「コーヒー豆を挽く」ことはすなわち「豆の表面積を増やす」ことになります。
これは効率的にコーヒーを抽出するために、必要な工程になります。
そしてその挽いた豆の粒度が、コーヒーの「濃度」に直結します。
・粒度が細かい → 成分が抽出しやすい = 濃度が高い
・粒度が荒い → 成分が抽出しにくい = 濃度が薄い
粒度が細かいほど、コーヒーの成分が流出しやすくなりますが、細かすぎると濃度が高すぎてえぐみが出てくる(過抽出)ことにもつながります。
井崎さんは
「適切な粒度が、抽出の質の8割を決める」
「予算があるならグラインダーに投資すべき」
と本書でも述べており、いかに豆の粒度の重要度が高いかを物語っています。
ペーパードリップかコーヒープレスか、といった淹れる器具によって粒度はある程度の規定がありますが、特に自身で挽く際には、気をつけておきたいポイントですね。
お店では豆のまま買うか、挽いてもらって買うかを選べますが、鮮度を保つ意味で、できる限り「豆のまま」買うのがおすすめです。
※挽いてしまうと、豆の表面積が増え、酸化しやすくなって味が落ちてしまうため。
ドリッパーの選び方
ドリッパーのなかでコーヒーと水が触れている時間が長ければ、その分コーヒーの成分は多く水に溶け込み、濃いコーヒーに仕上がります。
ドリッパーの中でコーヒーと水が触れている時間、すなわちドリッパーの「流速」が、抽出する成分の量=コーヒーの濃度を決めるといえます。
・濃度感が高めのコーヒー … 流速の「遅い」ドリッパー
・濃度感が低めのコーヒー … 流速の「早い」ドリッパー
ドリッパーの形状について
なお、流速は、水の流れやすさということになりますが、特にこの流速を決める要因として、ドリッパーの形状について、3つポイントを記載します。
ドリッパー形状について
・直径:ドリッパーの直径が狭いほど、流速は遅くなる。
・リブ:ドリッパー内側の溝が浅く、短いほど、流速は遅くなる。
・穴 :ドリッパー下部の穴が小さい/少ないほど、流速は遅くなる。
例
①ハリオ V60
穴が大きく、リブ(溝)も長いため、流速が早く、濃度感が低いコーヒーに仕上がる。
②メリタ
穴は小さめのものが1つで、リブ(溝)もドリッパー下部のみで短く、流速が遅めで、濃度感が濃いコーヒーに仕上がる。
抽出の6つのルール
コーヒーを淹れるにあたり、「抽出の6つのルール」として、
下記の6点が挙げられています。
抽出の6つのルール
①豆の重さ
②お湯の重さ
③抽出時間
④温度
⑤蒸らし
⑥注ぎ方(流量・流速・回数・高さ)
これらに共通しているのは、数値化できるというところです。
美味しいコーヒーを次回もいれるとなると、この数字が欠かせません。
できるだけ記録し、自身で美味しかったと思えるコーヒーのデータを徐々に作っていくことが大切です。
なお、最初にどういう数量でドリップすれば良いかわからなくても大丈夫です。
本書内で後半に書かれている「基本的な抽出レシピ」をもとに、再現性のあるコーヒーを淹れることができます。
所感
総じて大変実践的な内容で、他にも大切な要素がたくさん書かれていました。
ここに記載されている内容にのっとって、まずは各ポイントに注意しながらトライしてみるだけで、美味しいコーヒーへの第一歩になる実感がありました。
個人的には、家庭でドリップをする場面でも、「抽出速度」による味の違いは、とても大きく、わかりやすい違いとして現れてくると感じています。
その他、味の傾向を掴むためのチャート図も用意されていて、自分の好きな味が一目でわかるように工夫されているところも、とても良いと思いました!
まとめ
以上、「世界一美味しいコーヒーの淹れ方(井崎英典)」のご紹介でした。
今回ご紹介した内容は書籍の一部になりますが、全体を通して、今後のコーヒーライフに必ず生きてくる知識がふんだんに盛り込まれていて、非常におすすめできる1冊でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。